シューだびよんにて上演
演目 「銀の螺旋の夜」作・速瀬れい/出演・高橋康子 「GO HOME」作・柳太呂央/出演・甲 隆行 「金の孔雀の夜」作・速瀬れい/出演・高橋康子 ※※※ 高橋康子も時々参加させていただいていた文芸誌「Ripple」 を主宰している速瀬・柳両氏の作品を ひとり朗読という形で演じさせていただきました。 ◆ 「GO HOME」 カブさんが演じたのは、もうすぐ30になる引きこもりの男。 なんというか、とても、はまり役だったと思います。 まるでホントにそんな生活をしている人、であるかのように演じてくださいました。 この作品が書かれた頃には、世の中にはまだ 「ひきこもり」とか「ニート」とかいう言葉は存在していなくて、 そういった生活をしている人の存在すら ないことにされていたことを思えば、 作者の柳さんの嗅覚の鋭さに驚かずにはいられませんでした。 ◆ 「銀の螺旋の夜」「金の孔雀の夜」 十五年間、大好きな「パパ」のもとで、醜いものに触れることなく、清らかに育った娘。 「お前は私の大切なワインなんだよ」と笑みを浮かべるパパ。 いつしか娘は「パパは私の恋人になりたいのだ」と、その日を夢想します。 しかし、パパの求めていたものは、娘の愛ではなく、清らかな乙女の生き血…。 吸血鬼である父親に襲われるまでを描いた「銀の螺旋の夜」と、 穢れを知ってしまった後でも、それでも生きつづけていかなければならない 「女」となってしまった娘と衰えてしまった「パパ」の後日談「金の孔雀の夜」。 とりわけ好きだったのは「金の孔雀の夜」のラストシーン。 どうしてもグリーグの「ソルベイグの唄」をかけたい、と 何バージョンか買い求め、その曲をバックにセリフを言ってみたところ、 セリフの呼吸と音の呼吸が見事にぴったり。 速瀬さんがこの作品を書いたときに何をBGMにしていたのかはわかりませんが、 また、あのソルベイグの唄を聴くために、 いつかきっと演じてみたい、そんな作品です。 劇団としては、本当に人数が少ない時期に打った公演です。 ひとりが演じているとき、もうひとりは裏で照明を操作したりしていました。 たまたま東京から遊びに来ていた友人・M嬢に無理やり前の日打ち合わせて 音響をお願いしたりして。 今後、多少しんどい時期がエゴイストに訪れたとしても、 こんな時もあったけどなんとか公演は打つ事が出来たんだよな、と思えば 少しだけ力が湧いてくる。 そんな気がする今日この頃です。 |
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