ロンリーウーマン

2006年1月 アウガ5階AV多機能ホールにて

ある日、アウガを歩いていて、貼り出してあったチラシにふと目がとまりました。
「3日間ダンスのワークショップを受けて、最終日はアウガのホールでダンス公演」
試しに受けてみよう、と降りしきる雪の中、国際芸術センター青森へ行きました。

初日は以前どこかで演じられた「ロンリーウーマン」のビデオ鑑賞と、作品の概要の説明。

舞台上に3つの点がある。
その点の上に、ダンサーがそれぞれ立つ。
そして、ダンサーは、30分の間、そこから動いてはならない。
…という制約の中でどう踊る/踊らないか?
という大いなる問いかけ。
それがロンリーウーマンです。
かなり実験的な内容で、正直、参加するかどうか悩みました。

二日目は実際に動いてみることに。
特にみんなで集まってストレッチをしたり、というようなことは初日を除いてはありませんでした。
あらかじめ踊る順番を決めて、講師の黒沢美香さんが
「今日は○時○分から開始します」と一言告げ、
「5分前です」というコールがされるのみ。
あとは、30分、その場で踊ります。
私の踊りに対する黒沢評は
「うどんのような動きですね。見ていてお腹が満たされるような豊かさがあります」
とのことでした。

このロンリーウーマンという作品は、
「これが稽古、これが本番」
という区切りが一切なく、
やるからにはそこがどこであれ、観客がいようといまいと、全て本番です。
ですから、今日踊ったロンリーウーマンは
明日にはもう踊れなくなってしまうのです。
発表会で何を着るか、大いに悩んでタンスを掘り返しました。
常に新しくなる自分と向き合いつづける、という作業は
自分にとっても大きな学びとなりました。

最終日の発表を見に来てくれたカブさんからは、大変酷評されましたが、
自分がどうその空間と向き合うか、
コスチュームや動きなど、どんな風に自分を演出・表現していくか、等などについての
大いなる実験として、有意義な場を持つことが出来たと思います。

いつかまた機会があれば、参加して場の空気をさらいたい。
そんな気にさせてくれる、不思議な作品です。
舞台に立つことの快感を知っている方は、
観るよりも参加することをおすすめいたします。

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